「その、同志ってのはやめてって言ったでしょ!」
ソナが初めて感情を露わにして文句を言った。この二人が韓国人と北朝鮮人なのは確かなようだ。韓国人は北朝鮮を「北韓」と呼び、北朝鮮人は韓国を「南朝鮮」と呼ぶ。そんな呼び方をするのは、その二つの国の国民だけだ。しかし、美里にとってはまだ説明になっていない。美里は思わず声を荒げた。
「そりゃ、あれだけの不思議な事件なら、あんた達が興味持つのは分かるわよ。でも、なんであたしに関係があるの?今、計画って言ったけど、何の計画よ?」
ソンジョンは眉をしかめてソナの顔を見る。ソナはゆっくりとうなづく。北朝鮮の軍人は深く深呼吸して、美里の方に向き直り、重々しい口調で告げた。
「金日成主席の暗殺を阻止する。それが俺たちの計画だ。そのために、あの時空の穴を通って過去の共和国へ行く必要があるんだ」
金日成(キム・イルソン)、その名前は在日朝鮮人である美里が知らないわけはない。1948年の北朝鮮の建国以来、1994年に死去するまで国家主席として北朝鮮の独裁的指導者だった。だが、暗殺?美里は目を見張って反論した。
「あんた、何を言ってんの?金日成はとっくに死んでるし、あれは病死でしょ。もう82歳だっけ、いい年だったんだから」
「確かに証拠はない」
ソンジョンは何か苦い物を口に含んだような表情になって言った。だが、まるで自分を鼓舞するかのように、ことさら力強い口調で続けた。
「だが、偶然にしてはあまりにもタイミングが良すぎるんだ、主席の死去は。七六演説のわずか二日後に、何の前触れもなく……君たち在日同胞はなんとも思わなかったのか?」
ソナが初めて感情を露わにして文句を言った。この二人が韓国人と北朝鮮人なのは確かなようだ。韓国人は北朝鮮を「北韓」と呼び、北朝鮮人は韓国を「南朝鮮」と呼ぶ。そんな呼び方をするのは、その二つの国の国民だけだ。しかし、美里にとってはまだ説明になっていない。美里は思わず声を荒げた。
「そりゃ、あれだけの不思議な事件なら、あんた達が興味持つのは分かるわよ。でも、なんであたしに関係があるの?今、計画って言ったけど、何の計画よ?」
ソンジョンは眉をしかめてソナの顔を見る。ソナはゆっくりとうなづく。北朝鮮の軍人は深く深呼吸して、美里の方に向き直り、重々しい口調で告げた。
「金日成主席の暗殺を阻止する。それが俺たちの計画だ。そのために、あの時空の穴を通って過去の共和国へ行く必要があるんだ」
金日成(キム・イルソン)、その名前は在日朝鮮人である美里が知らないわけはない。1948年の北朝鮮の建国以来、1994年に死去するまで国家主席として北朝鮮の独裁的指導者だった。だが、暗殺?美里は目を見張って反論した。
「あんた、何を言ってんの?金日成はとっくに死んでるし、あれは病死でしょ。もう82歳だっけ、いい年だったんだから」
「確かに証拠はない」
ソンジョンは何か苦い物を口に含んだような表情になって言った。だが、まるで自分を鼓舞するかのように、ことさら力強い口調で続けた。
「だが、偶然にしてはあまりにもタイミングが良すぎるんだ、主席の死去は。七六演説のわずか二日後に、何の前触れもなく……君たち在日同胞はなんとも思わなかったのか?」



