三人は階段をてくてく登って11階にたどり着き、ソンジョンが並んでいるドアを開けて周り、目当ての部屋を見つけた。広いがコンクリートがむき出しの内装が寒々しく感じられる部屋だった。
すぐにソナがカバンから2011年から持ってきた望遠レンズ付きデジタルカメラを取り出して組み立て、ソンジョンの指示通り窓からある方向に向ける。望遠の倍率を最大にすると、昔の王宮のような建物の敷地がモニターに映し出された。金日成の主席官邸のはずだ。ソンジョンが驚嘆の声を上げる。
「すごいな!こんな高性能の望遠鏡は38度線の部隊だって持ってないぞ」
それから数分後、一台の小型トラックがその建物の敷地に入って来る。ソンジョンの言う通りなら、毎日一回主席官邸に物資を運びいれている車だ。
兵士が数人がかりでトラックの荷台から官邸の建物へといくつも箱を運んで行く。その箱をソナは次々に撮影していく。やがて荷物の搬入が終わり、車が官邸から去って行くと、ソンジョンが腕時計を見ながら言った。
「そろそろ出よう。あまり長居すると怪しまれる」
三人が階段を下りて一階ロビーに着くと、あの人民班長の女はまだそこにいた。あれから30分近く経っているのに、ずっとそこで見張っていたのだろうか?女は愛想笑いを浮かべながらソンジョンに尋ねた。
「いかがでしたか?」
「はい。1104号室が気に入りました。眺めもいいし、広さも申し分ない。最終的には軍が決める事ですが、自分はここを第一希望として申請するつもりです」
「まあ、それはよろしゅうございました!ご希望がかなうとよろしいですね」
「はい。その節はどうかよろしく。では、これで失礼します」
すぐにソナがカバンから2011年から持ってきた望遠レンズ付きデジタルカメラを取り出して組み立て、ソンジョンの指示通り窓からある方向に向ける。望遠の倍率を最大にすると、昔の王宮のような建物の敷地がモニターに映し出された。金日成の主席官邸のはずだ。ソンジョンが驚嘆の声を上げる。
「すごいな!こんな高性能の望遠鏡は38度線の部隊だって持ってないぞ」
それから数分後、一台の小型トラックがその建物の敷地に入って来る。ソンジョンの言う通りなら、毎日一回主席官邸に物資を運びいれている車だ。
兵士が数人がかりでトラックの荷台から官邸の建物へといくつも箱を運んで行く。その箱をソナは次々に撮影していく。やがて荷物の搬入が終わり、車が官邸から去って行くと、ソンジョンが腕時計を見ながら言った。
「そろそろ出よう。あまり長居すると怪しまれる」
三人が階段を下りて一階ロビーに着くと、あの人民班長の女はまだそこにいた。あれから30分近く経っているのに、ずっとそこで見張っていたのだろうか?女は愛想笑いを浮かべながらソンジョンに尋ねた。
「いかがでしたか?」
「はい。1104号室が気に入りました。眺めもいいし、広さも申し分ない。最終的には軍が決める事ですが、自分はここを第一希望として申請するつもりです」
「まあ、それはよろしゅうございました!ご希望がかなうとよろしいですね」
「はい。その節はどうかよろしく。では、これで失礼します」



