その日はとりあえず、美里はホテルで休む事にした。あの時空の穴の出現だけでも一生に一度あるかないかの衝撃だった。そこへ今度は韓国と北朝鮮のスパイが突然現れ、これから時間旅行をして歴史を変える、その手伝いをさせられる羽目になった。
ソナとソンジョンは一応美里の部屋に一人ずつ詰めて彼女を監視する事にしたらしい。寝ている間は同性のソナが見張るため、まずソンジョンが一緒に部屋にいた。しばらくすると、ソンジョンの腹が「グー」という派手な音を立て始めた。どうやら、よっぽど空腹らしい。見かねた美里は声をかけた。
「あんた、おなかが減ってるの?」
「ああ、昨日日本に上陸してソナ同志とここで合流したばかりだ。丸一日何も食っていない」
そこは安っぽいビジネスホテルなので、ルームサービスはない。一階に軽食を出す喫茶店が入っていたはずだ。美里は提案した。
「なら、一階に食事しに行ったら?あたしが一緒に行けば問題ないでしょ?」
「だが、使える金を持っていない」
「はあ?あんな大それた事しでかすために日本に来たんでしょ。お金の用意もしてこなかったわけ?」
「いや、人民円はある」
そう言って、ソンジョンは手元のショルダーバッグの中から分厚い封筒を取り出し、中から札束を引っ張り出した。美里は思わず息を飲んだ。一万円札が軽く百枚以上ある。
「なによ、そんな大金持ってるじゃない?」
「だが、どこでパックントン円に換えればいい?俺は日本語が話せないから、外国人だとすぐにばれるだろう?」
「は?ごめん、言ってる事が全然分かんないんだけど。そのお金で食べ物買うなり、食堂に入るなり、なぜしなかったのよ?」
ソナとソンジョンは一応美里の部屋に一人ずつ詰めて彼女を監視する事にしたらしい。寝ている間は同性のソナが見張るため、まずソンジョンが一緒に部屋にいた。しばらくすると、ソンジョンの腹が「グー」という派手な音を立て始めた。どうやら、よっぽど空腹らしい。見かねた美里は声をかけた。
「あんた、おなかが減ってるの?」
「ああ、昨日日本に上陸してソナ同志とここで合流したばかりだ。丸一日何も食っていない」
そこは安っぽいビジネスホテルなので、ルームサービスはない。一階に軽食を出す喫茶店が入っていたはずだ。美里は提案した。
「なら、一階に食事しに行ったら?あたしが一緒に行けば問題ないでしょ?」
「だが、使える金を持っていない」
「はあ?あんな大それた事しでかすために日本に来たんでしょ。お金の用意もしてこなかったわけ?」
「いや、人民円はある」
そう言って、ソンジョンは手元のショルダーバッグの中から分厚い封筒を取り出し、中から札束を引っ張り出した。美里は思わず息を飲んだ。一万円札が軽く百枚以上ある。
「なによ、そんな大金持ってるじゃない?」
「だが、どこでパックントン円に換えればいい?俺は日本語が話せないから、外国人だとすぐにばれるだろう?」
「は?ごめん、言ってる事が全然分かんないんだけど。そのお金で食べ物買うなり、食堂に入るなり、なぜしなかったのよ?」



