ずっとずっと、傍に居てよ、お願い。
アンジェロは譫言のように繰り返してリュカを驚かせた。
(…なんで俺なんかに。アンジェロ、お前の傍にはもっと、頼れる存在がいるじゃねぇか)
(…俺がもってないものを何個も。持ってるじゃんか)
『傍に居てくれたら僕が君を幸せにしてあげるね?』
それなのに
(…なんでそんなに寂しそうなんだよ)
いつの間にか毟った羽を差し出して、アンジェロがリュカを見上げる。
横に並んでも、リュカのほうがアンジェロより目線が上だったからだ。
「なに、これ…」
『友達になってくれたお礼だよ』
本当はわかっていたのにわざわざ訊いた。
本当はその羽根が喉から手がでる程欲しくて…。
それなのに、なに、これ、なんて。
「………」
ごくりと生唾を飲み込むと、リュカの手は羽根へと延びる。
ミルクと金色を溶かしたような色のそれは彼にとって、最高級の誘惑。


