『ふふ、リュカって素直じゃないんだね。…照れ屋さんなの?』
ふわふわと羽ばたいて、リュカをからかうようにアンジェロは右に行ったり左に行ったり。
リュカはうんざりしたようなため息をはいて苦笑するけれど、前ほど嫌そうにはしなかった。
『こんなに素敵な人間の友達ができて僕、嬉しいよ』
「ふーん。まぁ、なんでもいいけどよ、何で人間なんかと友達になりたいわけ?」
それはリュカが一番疑問に思ったことだった。
どうして、空の上の気高い存在が、自分よりも劣った地上の人間なんかと?
(…それも、よりによって俺)
『そんなの簡単。天使はね、人間を幸せにするのが仕事だからさ。
それに僕、人間が好きだよ。上にいる天使の仲間たちよりもずっとずっと』
高く飛び上がって街灯の周りをくるくる廻るアンジェロ。
リュカは肩を竦めて隣のベンチへ腰掛けた。


