「え?なんのこと?僕にはそんな力はないよ」


予想外に否定する少年に、不思議に思ったサーシャはアンジェロの力のことを話した。

すると少年は、肯いてわかったというように笑って言った




「あぁ、アンジェロはそりゃあね…、大天使ガブリエルの力を持つ存在だもの」



(…大天使、ガブリ…?)



大それた事を口にしたときの、控えめに謙遜したような口調で少年は話す。




「お姉ちゃん、アンジェロのこと何も知らないんだね。

アンジェロは偉大な偉大な大天使の息子だったんだから。

心を読むのなんて、普通は無理だよぉ」


呆れたと言わんばかりに少年はサーシャの肩を叩いて笑う。

一方サーシャは目をぱちくりさせるばかりで、言葉がでてこない。



(…アンジェロが、あのアンジェロが?)



―――そんなに凄い力を持ってたなんて