「―――神様、堕天使の僕だけど、願いを聞いてください。

どうか、アンジェロを元通りにして…」














正直、本当に叶うのかどうか自信はなかった。

数秒の間、暗闇の中でその張り詰めた空気は続き、バスチアンは緊張で肺が押し潰されそうだった。












――――スッ

何も音こそしないけれど、今までそこにあったアンジェロの銅像は、頭の先から見る間に鮮やかな色を取り戻していく。

その金色の髪も純白の肌も、色褪せた茶褐色から元の色を取り戻していく様は、夜闇の中でもはっきりとわかった。














『―――やぁ、バスチアン』


すっかり温かさを取り戻し、紅潮した頬でそう微笑むアンジェロを目にしたとき、

安心したバスチアンは思わずしゃくりあげて泣いてしまった。