◇◆◇◆舜◇◆◇◆



「実紅ちゃん!」



一番見つかりたくなかった人に、実紅の名前を呼ばれた。



その実紅の名前を呼んだのは、今は爽やか先生で有名な山崎さんだった。




今日から1ヶ月サッカーの顧問やるんじゃねぇのかよ。



さっきまでサッカー部のやつらにサッカー教えてたのに、実紅が隣を通った瞬間振り向いて声を掛けてきた。



……やっぱな。



薄々は気付いていた。



山崎さんがアルバイトで働く女に馴れ馴れしく話し掛けることは今まで無かった。



でも実紅には、俺の彼女って知らない前から馴れ馴れしく話し掛けたりしてた。




山崎さんは、実紅に好意を抱いてる。



今日で確信した。




「今から帰んの? つか空は?舜から守れって言ったんだけどな」



だから、実紅に俺を近付けないようにしてる。





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