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アルバイト中に貧血になるほど、実紅は必死に働いてたのか。



そう思うだけで笑えてきた。



「あれから平気だった?」



でもそれのおかげで、山崎さんが実紅の看病をするために、実紅の素肌に触れやがった。



俺はその現場を目撃したから、その後の実紅をどのように看病したかは、まったく覚えてねぇ。



マジでヤバい。



実紅が他のやつと話してるだけでイラつくのに、触れさせてたら、俺は完全におかしくなる。



実紅は、俺が女の客に偽造スマイルを見せてたとしても

イラつくとか妬いてる素振りは、まったく見られない。



ったく、少しは妬けよな。


表では俺のが上だけど、実際ハマってんのは俺の方かもしんねぇ。




「てめぇ、無視か?」



バイトを初めて一週間ちょっとが経った今日。



テーブルを拭いてたら、さっき話しかけられて無視した山崎さんが怒りながら話しかけてきた。



…やべ、怒らせた?



「すいません。実紅なら平気ですよ、今日もほら、来てんし」


「てか、お前らってこの海まで何で来てんの?バスとか?」


「電車ですよ。一本で来れますから」



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