「最近瞬哉がやたらテンション高くて煩いんだよなぁ」
クリスマスまであと二週間。
夜景が一望できるお洒落なレストランで、楓が煙草の煙をふうっと吐きながら怠そうに言った。
「瞬哉さんが?」
莉子はデザートを食べながら首をかしげる。
「何かいいことでもあったのかな?」
「最近彼女出来たらしいよー」
「そうなんだ!?」
「“年上で頼れるキレイなお姉様”って言ってたっけな…ありゃ絶対尻に敷かれるぜ」
「……んっ?」
ふいに頭の中を雪音の言葉が過る。
“大好物の年下イケメンくん”
二人は年齢的にぴったり合うし、時期的にも……



