キミニアイヲ.

「いや、だってあの愛莉が“大丈夫?”って言ったんだぞ!?

いつもなら怖い顔して“移さないでくださいよ…”って言うだろ、絶対!!」



社長は咳をするのも忘れて(?)驚きながらまくし立てた。



「憑いてたモノがとれたとしか思えないだろ!?」


「何も憑いてないよ!ストラップも付けてない!」



全く似てないモノマネまでされた莉子は、ムスッとして言い放った。



「まぁまぁ二人とも!社長はもういいから帰りなよ」



雪音は子供のように言い合いをする二人をなだめて、ドアの方に向かって社長の背中を押す。



「あぁ…そうするわ…。
もしかしたら熱のせいで愛莉の幻覚見てんのかもしんねぇ…」


「そこまで言う!?」



額に手を当てながらまだそんなことを言う社長に、莉子は呆れて溜め息をついた。