キミニアイヲ.

母親が出ていってから、父親は仕事も辞めて以前にも増して酒を飲むようになった。


暴力もエスカレートして、堪らず莉子も家を飛び出した。



莉子が高校二年の秋のことだった。



行くあてもなく街をぶらついていると、今の社長が声を掛けてきた。



「よかったらうちの会社に来ないか?
君のように生活に苦しんでいるコが大勢いるんだ」



そう言って口角を上げる社長は、ちょっと変わった柄のシャツにサングラスをしていて…


どう見てもヤクザにしか見えなかった。



絶対怪しい…。


それはすぐ分かったが、どうなっても構わないと思っていた莉子は黙ってついていくことにした。