キミニアイヲ.

瞬哉の耳にいくつも付いているピアスを見て、莉子は少し納得してしまった。


そして、肩に回されている腕の違和感に気付く。



「ていうか…あたし彼女じゃないんですけど!!」



“彼女”という響きに、なぜかドキドキしている自分がいる。


よく分からないこの鼓動を静めたくて腕を引き離すと、楓はキョトンとした顔で一言。



「ご不満?」


(いやいやいや!!)



「そうじゃなくって!
それ以前に今仕事中なのよ!?こんなとこにいる時点でおかしいでしょ!」



自分で言いながら気付いた。


これじゃ完璧デートだ。



しかし、楓は“何か問題でも?”と言いたげな顔をして


「どこで何するかは客次第だろ?」

と言い放った。