キミニアイヲ.

「ねぇ“シンデレラ”って…?」


「柑橘系のトロピカルなカクテルだよ」



楓が答える前に、瞬哉が身を乗り出して言った。



「キミ莉子ちゃんって言うんだ?オレは瞬哉、よろしくね」


「あ、どうも…!」



にっこりと子犬のような笑顔を向けられると、莉子の心もほんわかと温かくなる気がした。



「それにしても珍しいッスね。マツさんが彼女連れてくるなんて」


「…えっ!?」



──か…彼女っ!!??



「ちが……」


「あぁ、お前手出すなよ」



(え゙ぇ──っ!!??)



慌てて否定しようとすると、楓は莉子の肩を抱き寄せて思いもよらないことを言い出した。