キミニアイヲ.

なんか意地悪な飼い主と健気な子犬みたい…

と思った莉子は、じゃれ合う二人を見ながらふふっと笑った。



「はい、お待たせ~!
ジンライムと、瞬哉特製ピーチフィズ♪」



莉子の目の前には、透き通ったピンク色の液体が注がれたグラスが置かれた。


底には少量の紅い液体が沈んでいて、綺麗な層になっている。



「わぁ、キレイ!」


「なんだよ、普通じゃん」


莉子の感嘆の声と、楓の冷めた声とが重なった。



「マツさん!!だからこれは特製なんだって!」


「莉子ちゃんに合うのは“シンデレラ”だろ」


「それならそう言ってよ~!!」



──あぁ…また言い合ってる…。


そんな二人が面白くて、莉子は笑いながらピーチフィズを一口飲んだ。