キミニアイヲ.

莉子の様子を見て確信したのか、雪音は“やっぱりね”とでも言うような笑みを浮かべた。



「また逢いたいって思うのは、好きになる前兆みたいなモンよ」


「前兆…?」


「それに加えて欲張りになってきたら確実ね。
そのうち相手に対して“もっと”って求める感情が出てくるから」


「“もっと”ねぇ……」



誰かを好きになったことなんてない莉子にとって、経験豊富な雪音は恋愛の大先輩。


雪音の言うことは説得力があるように思えた。



「まっ、きっとそのうちわかるわよ」



雪音はにこっと笑ってケーキを食べ始める。



楓が特別な存在だというのには違いないが、それが恋愛感情なのかはわからない。


莉子は、とりあえずもう一度逢って話がしたかった。