キミニアイヲ.

──御曹司?ってことは……



「お父さんも社長なの?」

「そんなとこかな~」



そんなとこって…なんか曖昧な言い方だな、と思いつつ。


でもこの若さでラブホを経営出来るくらいなんだから、やっぱりお金持ちなんだろうな…と莉子は納得していた。



「人は見かけによらないんだね」


「え?」


「だってそんなにやんちゃしてたように見えないから」


「そうか?…まぁ25年も生きてれば色々あるよ」



そう言ってふうっと煙を吐く楓は、どこか暗い表情をしているように見えた。


どことなく影があるような……

なんだか気になる。



「俺の話はそれくらいにしといてさ、莉子ちゃんのことも聞かせてよ」



その言葉で、莉子の思考はあっさり切り替わる。