キミニアイヲ.

楓は肩を抱いたまま歩き、“702”と書かれたドアを開けて莉子を中へ入れた。



「わぁ、キレイな部屋…!」



中へ入って部屋を見回した莉子は、驚きのあまり一瞬緊張が緩んだ。



一般的なラブホよりもかなり広く、高級なホテルのスイートルームのような部屋。

外には露天風呂まで付いている。



「すごい…ラブホとは思えない!」


「だろ?なんてったって俺が社長だから♪」


「………。」



得意げに笑っている楓を見て、莉子は改めて思う。



──本当に社長なんだよね、この人…。


この若さで社長ってなれるものなのだろうか?

一体何歳なのだろう?



それに……


(どうしてあたしと逢いたいなんて思ったんだろう…?)