キミニアイヲ.

狭い密室の中で、莉子は楓から離れられずにいた。


爽やかで、ほんの少し甘い香水の香りが鼻をかすめる。

普段の莉子には無縁な、セクシーな男性の香り…


それだけでドキドキしてしまう。



「どうしたの?黙っちゃって。緊張してる?」


「!…別に…」



否定は出来なかった。


普段とあまりにも違いすぎる雰囲気に、仕事ということを忘れそうになる。



「大丈夫だよ。無理矢理犯したりしないから」



それは当たり前でしょーがっ!!


と、可愛らしく首をかしげながら言う楓に、心の中でツッコミを入れた。


…と同時に、最上階の7階で止まったエレベーターの扉が開く。