キミニアイヲ.

「俺のオススメの部屋取っておいたんだけど、他の部屋がよければ変えるよ。どうする?」



予約までしてあったの!?

と驚きながらも、莉子は首を振った。



「その部屋でいいです。…ていうか、慣れてるんですねぇ?」


「んー、まぁね」



莉子は少し嫌味っぽく言ったつもりだったが、楓はなぜか自慢げにクスッと笑う。



「だって、ここ俺が経営してるホテルだから」


「……えぇッ!!??」



──け、経営してる!?


じゃあここの社長ってこと…!?



「はい、行くよー」



驚いて固まっている莉子の肩を抱き寄せて、楓はにこやかにエレベーターに乗り込んだ。