キミニアイヲ.

しばらく歩いて、黒い外観のシックな建物の前で楓は止まった。


よくあるギラギラと明る過ぎるラブホとは違って、普通のデザイナーズホテルのようだ。



「ここ……?」


「そう。来たことない?」


「うん…だって高そうだし…」


「ははっ、まぁ安くはないね」



入り口には静かに流れる水が青白い光でライトアップされていて、高級感が漂っている。


楓は来慣れているような感じで中へ入り、莉子もそれに続いた。



中も黒と青を基調とした装いで、クラシックのような音楽が控えめに流されている。


こんなお洒落なホテルに、オヤジ達は似つかわしくないよね…

と、莉子は変に納得していた。