楓は綺麗な目を細めて笑うと


「うん、正解」

と言った。



──う、嘘でしょ～！？



こんな偶然があるのだろうか。

そう思ったが、莉子は「ん？」と首をかしげる。



「…ねぇ、今こうしてるのって偶然？」



莉子の言葉に、楓はクスッと笑った。



「これが偶然だったら運命感じちゃうトコだけど、残念ながら必然です」


「てことは……」


「俺がキミに逢いたかったから指名したんだよ」



妖艶に笑う楓とその言葉に、莉子は心臓がドクンと大きく跳ね上がるのを感じた。


思わず胸に手をあてる。



「どうした？」


「あっ…いや、何でも！」



──何よ……今の感じ。


こんな元気に動く心臓は今まで感じたことがない。