キミニアイヲ.

『莉子さんがどれだけ心に深い傷を負ったか、あなたもよく分かってるはずです。

余計なお節介だってことは重々承知してます。でも、これを彼女に謝るきっかけにしてほしいんです』



婚姻届を手渡すことで、莉子に心からの謝罪をして仲直りしてほしい──。


それが、楓の本当の目的だった。



『しかし…あの子はもう──』



父親の目には諦めの色が見える。


楓が言うように、後悔しているのは確かだった。



妻だけでなく莉子までも家を出ていって以来、ますます酒に溺れた。


悪酔いして莉子のもとへ現われるのは、ただ寂しかっただけなのかもしれない。


しかし、莉子に拒絶されて怒り狂ってしまうという悪循環。


酔いがさめて冷静になると、いつも残るのは後悔と罪悪感だけだった。