キミニアイヲ.

泣き叫んでICUの外に飛び出ると、莉子は力なく廊下に座り込んだ。


看護士や他の入院患者の家族が、その姿に哀れみの眼差しを向ける。


そんなのも気にせず、莉子は子供のように泣きじゃくった。



「莉子……!!」



雪音も涙を零しながら、莉子をしっかりと抱き締める。


瞬哉は一瞬宙を仰ぐと、唇を噛み締めて必死に溢れてくるものを堪えていた。


一回浅く深呼吸すると、瞬哉は二人の傍に寄って優しく背中に手を当て、待合室へと促した。




この日面会出来るのはこれが最後。


外はもう日が暮れ始めて、オレンジと青の綺麗なコントラストを作り出していた。