キミニアイヲ.

たくさんの機器が並ぶ、重々しい雰囲気。

ピッピッと規則正しい音が響いている。


莉子はベッドに横たわっている彼に、ゆっくりゆっくり近付く。



鼻と口を覆い隠す酸素マスク。


体からは心電図や血中酸素等を測るコード類がいくつも伸びている。



認めたくない。

でも認めるしかない。


こんなに綺麗な顔で眠る男の人を、他には知らない。



「か…えで……」



呼んでももちろん反応はない。

震える手で、そっと楓の手に触れてみた。



温かい……


楓はちゃんと生きている。


生きているのに


何故こんなにも切ないのだろう?