キミニアイヲ.

「赤ちゃんの大きさからして、10週目頃までは生きていたと思われます」



“生きていた”


過去形になんてしたくない。

まだ赤ちゃんはここにいるのに……


まだ現実を受け入れられない。



「手術の必要があるので、日にちを決めたいんですが……」



それでも現実は莉子を待っていてはくれない。

淡々と手術の話が進められていく。



もう目の前が真っ暗で、次第に周りの声も聞こえなくなっていった。


それなのに、何故か子供の無邪気な声だけは勝手に耳が反応してしまう。



産婦人科でも、家までの帰り道でも

すれ違う子供や母親に抱かれている赤ちゃんを見るたび、心が壊れていくような気がした。