キミニアイヲ.

「それに…けじめもつけたいしな。今までのことに」



そう言って楓が目を開けると、莉子の視線に気付いてふっと微笑みかける。



「明日、兄貴と話してくるよ」



楓が毅としっかり話をするのは、あのクリスマスイブ以来だ。


莉子はほんの少し不安が過ったが、楓の決意に迷いはないことは分かっている。



「…うん、わかった。いってらっしゃい」


楓は微笑む莉子の髪を優しく撫でる。



「莉子は心配することないからな。
仕事もすぐ辞めるわけじゃないし、莉子にも子供にも不自由はさせないから」



楓の言葉が、莉子を安心させてくれる。


そして、想われていることの幸せを感じさせてくれる。



「……ありがとう」



莉子はお腹にそっと手を当てた。