キミニアイヲ.

「分からないけど。君みたいにキレイなコなら、人生得することばっかりじゃないかなーと思って」



男の短絡的な考えに、莉子はフッと自嘲気味に笑った。



「キレイだからってそんないい人生送れるわけないじゃない。
…そもそもキレイじゃないし」



莉子はこうしてる理由を思い出して、ため息をついた。



「あたしは汚れてる…。ちっともキレイなんかじゃない」



俯いてぼんやりと川を見下ろしたまま、独り言のように呟いた。




「ふ〜ん…何か思い詰めちゃってるみたいだね?」



男は手すりに背を向けて寄りかかると、携帯灰皿に煙草を押し付けた。