キミニアイヲ.

それを聞くと、楓は優しく莉子の頭を撫でて

「俺もだよ。ありがとな」

と言った。


その一言と、これを見付けてくれたことが嬉しくて

莉子は溢れだす喜びと幸せを噛み締めていた。




そんな中、さっきから瞬哉と雪音が小言を言い合っている。



「もー雪音サン!オレに一言言っといてくれてもいいじゃんか!」


「言っても言わなくても一緒でしょうが」


「一緒じゃねーって!マツさんが来るって分かってればそれなりに心の準備を……」


「瞬哉」



口を尖らせていた瞬哉は、楓の呼ぶ声にビクッと体を硬直させた。

楓は鋭い矢のような冷ややかな視線で瞬哉を射ぬく。