キミニアイヲ.

莉子から電話で話を聞いた時、雪音は何故そうなったのか大体想像がついていた。


だから二人で話し合った方がいいだろうと思い、莉子がやってくる前に楓に電話をしておいたのだった。



「あたしも楓クンに会ってみたかったし、ちょうどいいやと思って」



雪音と楓は『ねー』と言いながら意気投合している。


雪音の行動には驚いたが、莉子は楓と会えてとても嬉しかった。



「…あれ?楓、それ……」



楓がコートを脱ぎ、ストールを取っている。

莉子が買った、あのストールを。



「え……なんで!?」



あの橋の上で無くしたままだと思っていたのに──


驚きと動揺を隠せない莉子に、楓が優しく微笑む。