キミニアイヲ.

「本人に聞いてみればいいじゃない。もうすぐ来るだろうから」


「「えっ?」」



莉子と瞬哉の声が重なった、その直後。


店のドアが開いて客が入ってくるのが分かり、瞬哉はその人の方へ顔を向ける。



「いらっしゃいま……げっ!!」


「『げっ』?」



瞬哉の顔が一瞬にして引きつる。

莉子と雪音も、不思議に思って入り口の方を見た。



こちらへ歩み寄る姿に、莉子の胸はトクンと高鳴る。



「え……楓!?」


「やぁ、莉子」



やってきたのは涼しげに笑う楓だった。

驚く莉子とは対照的に、楓は莉子達がいることを分かっていたようだ。



「噂をすれば…ナイスタイミングね!」


そして、全てを分かっている人物がもう一人。