キミニアイヲ.

「オレはもちろん自分の彼女がデリヘルやってるのは嫌だけど、雪音サンの気持ちも汲み取らなきゃって思うし」


「雪音さんの気持ち…?」



瞬哉の発言が気になって雪音を見ると、


「まっ、何の理由もなくこんな仕事する女はいないわよ」


と、カクテルに浮かんだレッドチェリーを摘みながらフッと口元だけ笑ってみせた。



その笑みはなんだか意味深で、少し切なげにも見えて。

莉子は、もしかしたら雪音も何か問題を抱えているのかもしれない、と思った。



「マツさんもいい気はしないはずだよ、絶対」


「ん…。そういえばそんな話はしたことなかったな」



瞬哉に言われて気付いた。

楓はどう思っているのだろう?