キミニアイヲ.

莉子も毅を見上げる。


そこにいたのは悪魔のような恐ろしい男ではなく

報われない恋心を抱いた、ただの一人の男だった。



「…それは俺があげたものじゃない。
正確に言えば…あげることが出来ずに自分で捨てたものだ」


楓は少し首をかしげる。



「捨てた…?何で…」


「紅葉の本当の気持ちを知ったら、俺が何をやったって無意味に思えたんだ。紅葉の想いは頑なだったからな…。

だから、渡す前に半ばやけくそで捨てたつもりだったんだが…」



どういうわけか、そのネックレスは紅葉の手に渡っていた。