キミニアイヲ.

切ない。

切な過ぎる。


それほどまで深く彼女を包んでいた愛が

この男を冷酷な悪魔に変えてしまったなんて──…



「そんな紅葉の気持ちにも気付かずに、こんなものを用意してたなんてな…

本当に滑稽で、哀れな男だ」



悪態をつく毅だが、最後の言葉は自分に向けて言っているようにも感じられた。



「…母さんは兄貴のこともちゃんと想ってたんじゃないか?」



静かに言葉を発した楓を、毅は力のない瞳で睨む。



「同情なら真っ平だ」



すると、楓はポケットから何かを取り出して、それを離婚届の横に静かに置いた。


全員の視線がそれに集中する。