キミニアイヲ.

「…違う……」


毅は煙草に火を点けようとして、ポツリと呟いた莉子に視線を送る。


莉子は顔を上げると、キッと毅を睨んだ。



「楓は腐った人間なんかじゃない!!」



気付いたらそんな言葉が口から飛び出していた。



「あなたの大事な人が亡くなったのも…楓のせいじゃない…!」



許せないはずなのに

酷い裏切りにあったのに


莉子はまだ楓をかばおうとしていた。



毅は一瞬眉をぴくりと上げて、意外そうに莉子を見つめる。



「楓が…あんたに話したのか?家族のことを?」



莉子は返事をする代わりに、そのままじっと毅から目を背けなかった。