キミニアイヲ.

「あんたも許せないだろう?」


俯く莉子に、悪魔のような低い声が聞こえる。



(……許せない?)



そう、許せないはずなのだ。


何もしていないのに、騙されて利用させられようとして、こんな所にまで連れて来られる羽目になったのだから。



「俺もあいつに大事なものを奪われたからな…。
あいつは諸悪の根源、腐った人間なんだ」



毅の表情は相変わらず変わらないけれど、声には楓に対する悪意や憎しみに満ちているように感じる。



莉子自身だって、本当はすごく悲しくて憎くて堪らないはず。


それなのに──…