キミニアイヲ.

信じられない──


ニュースか何かの話を聞いているようで、全く自分に関わる問題だとは思えない。



「それで…楓さんは暴力団の組員ではないんだけど…」


重々しい口調で話す雪音。

その様子からして、かなり深刻な話なんだろうと想像はつく。


莉子はこれから自分に告げられようとしている真実から、逃れたい気持ちで一杯だった。



しかし、現実はそれを許してはくれない。



「楓さん、そのお兄さんに協力してることがあるの」


雪音はすうっと軽く息を吸い込むと、莉子をしっかりと見据える。