キミニアイヲ.

「雪音さん元気ないけど…どうしたんですか?」



静かに座っている雪音の手前に、コーヒーカップをカチャリと置く。

こんな様子の雪音を見るのは初めてで、莉子は心配しながらも少し奇妙に思っていた。



しばらく黙っていた雪音を見つめていると、意を決したように顔を上げる。



「…あのね?突然だけど……
あたしの彼、本当の名前は瞬哉っていうの。
愛莉も知ってるでしょう?」


「…瞬哉さん!?」



やはり相手はあの瞬哉だったのだ。

だが、何故偽名なんか使っていたのか?



莉子の頭の中はクエスチョンマークだらけ。

それを分かっているかのように、雪音は「ちゃんと説明するからね」と言った。