店を出てアパートへ帰る途中で立ち止まり、何気なく紙袋の中を覗いてみる。


中に入っているのはオレンジ色の包装に銀色のリボンが付いた長方形の包み。



「買っちゃった…」


浅いため息混じりに呟く。



今更ドキドキしたり、不安になったってしょうがない。

もうこれを楓に渡すって決めたんだから!


…と、一人気合いを入れて再び歩きだした。



そんな莉子の手で揺られる楓へのクリスマスプレゼントはストール。


キスはしたけれど恋人同士になったわけではない、もどかしい二人。


その様子に痺れを切らした雪音が


『クリスマスを利用して二人の関係をはっきりさせちゃいなさい!!』


と一喝したのがきっかけだった。