キミニアイヲ.

「俺が…母さんの幸せを全部奪ったんだ」


そう言うと、楓はすっとベンチから立ち上がった。



「俺が殺したも同然だ」



「違うよ…!楓のせいじゃな…」


「俺のせいだよ!」



声を荒げた楓に、莉子はビクッと体を震わせて押し黙る。


少し見えた楓の横顔は、険しくて苦しそうで……

いつも冷静で余裕な楓からは想像もつかない様子だった。



「母さんが離婚したのも再婚したのも、死んだのも……いつも原因は俺だったんだから」