キミニアイヲ.

乱れた髪に、引きちぎられた洋服。

人形のような青白い顔…

その口やこめかみ辺りからは真っ赤な血が流れている。



紅葉の変わり果てた姿に、楓は一気に全身から血の気が退いていくのを感じた。



「…母さん!?母さん!!」



ぐったりとした紅葉を抱き上げ、何度も何度も名前を呼んだ。


──どうして…!?

何で母さんがこんな目に!?



血の気が退いていったはずの体は、再びカーッと熱くなる。


もう、何が何だか分からなかった。



すると、楓の腕の中でうっすらと紅葉の瞼が開いた。


ゆっくりと、消え入りそうな声で言葉を紡ぐ。