キミニアイヲ.

そしてある日、紅葉は突然知宏に言われた。


『妻にならないか?』と。



紅葉にはそれがプロポーズと言うより“提案”のように思えた。


知宏には告白された訳でもなければ、付き合っている訳でもなく、本当に唐突に言われたからだ。



知宏には息子が一人いて、妻は病気で死別していた。


知宏は言った。

『自分のもとへ来れば、二人はもっと楽な暮らしが出来る。悪い話じゃないだろう?』と。



しかし、その時知宏は50歳で紅葉は29歳。

知宏の息子の毅(ツヨシ)もすでに25歳になっていた。


自分と4歳しか違わない男が息子になるなんて…


年の差婚のことよりも、紅葉はその方が気掛かりで仕方なかった。



毅は楓とも15歳も離れている。


私達、うまくやれるのかしら…?