キミニアイヲ.

HEALで逢って以来、二人は何回か電話をしたり、プライベートで逢うようになっていた。


名前の呼び方も楓に言われて、お互い呼び捨てで呼ぶようになった。

最初は恥ずかしくて仕方なかったのだけれど。




二人が向かったのは楓のラブホテル。


仕事帰りの待ち合わせだったため、そのまま停めてあった楓の車に乗り込む。


黒光りするBMWはエンジン音も静かで、車のことは全く分からない莉子でも高級だと分かるくらいだ。



「じゃあアパートまで送るから」


「うん……」



──もう帰らなきゃいけないんだね。


でも、もう少し…


もう少しだけ
一緒にいたいな……