キミニアイヲ.

「これ、莉子に似合いそうだね」


「っ!!」


ぼんやり眺めていた莉子の顔のすぐ横から、楓がショーケースを覗き込む。


至近距離にある楓の顔にドキッとして、ほんの少しだけ離れた。



楓が指差したのは、ピンクゴールドの花に小さな宝石があしらわれた、上品だけど可愛らしいデザインのネックレス。



「こ、こんなキレイなの似合わないって」


「そんなことないと思うけど?」



ちらっと楓の方を見ると、すぐキス出来そうなくらい近くに綺麗な笑顔がある。


ヤバイ……。



「あっ…あたしより楓の方が似合うんじゃないの!?」


「は?なんだそりゃ」


「とにかく!寒いから早く行こっ」


照れ隠しでよく分からないことを言って、莉子はさっさと歩き始めた。