浮いていても体の震えはまだ止まらない。
勝手に小刻みに痙攣してるからどうにも出来ない…。





バサっ…。





チョコレートの暗幕で包まれる。





腰に手をあて抱えられていた。





「あの、自分で歩けますから…。」





「そうかな?」





そういうと私の口に人差し指を当てる。





「!」




顔から火が出そうだよ!




口の中に甘くて暖かい何かがあった…。





体が暖かいな…。甘くて美味しい。





「これも魔法?…。ですか…。」





「このまま宮殿まで行こう。」





急に眠くて眠くて…。






かくんと力が抜けた。





「クルミ様?!」





「スースー…。」





ピンクのお団子がほっとする。





「何を差し上げたのですか?」





「チョコレートボンボンだが?」





ニッコリと微笑む貴公子は小さな少女を抱き抱え宮殿に向かう。





「まさか本当に連れてくるとは思わなかったが…。」





大きな宮殿には人が集まっていた。





王妃と王の為、大会が開かれる。





大会には渦巻く何かがあった…。
巻き込まれたのは一人の少女。
鍵を握るパン屋の娘は…。





「お腹いっぱい…。」






夢を見ていた。