七色の雲は綿菓子。





空はいい匂いがしてる。




ただ落下していることを除けば…。





「いやぁーぁぁぁぁ!」




隣のピンクの魔法使いはニコニコしてるだけ!





「大丈夫ですよクルミ様!」





「大丈夫じゃないー!」




ほえほえした可愛い感じのお姉さん!
状況わかってますか?!




涙目の私は…落下しながら見たのはチョコレートの小川に橋…。





プリンの山に…。後は…。後は?!





目の前は地面。





夢の国でさようなら…。





橋が光って…。なんか気持ちよい。





「クルミ様?クルミ様?」





揺らすお姉さんはニコニコ。
私は仰向けでスポンジの上に寝転んでいた。






「たっ…。助かった。」




落下の恐怖と安堵から体がかってに震えていた。




コツコツ…。





誰か橋を渡って来た…。




振り返るピンクのお団子が慌てて頭を下げる。





「レット様!」





ビターチョコレートのマントがバサリと音をたてながら翻る。





ほろ苦いような甘いような匂いが風に乗って私の鼻をくすぐる…。





どこかで嗅いだことあるような気がする…。なんか懐かしいようなほんのり甘い香り…。





手をさしのべたその人は笑っていた。





「君は?」





「くっくるみです!」




ひょっとして…。






「ブラマンシェ…。彼女が?」





ニコニコしながら
「はい。そうです!ショコラタルト·レット様!」





「そうか…。クルミこちらにおいで…。」





何がなんだかわからない。けど…。夢じゃないみたい。





「私のことはレットで構わない。レットと呼んでくれ。」





エスコートするカッコイイこの人はレット…。






「私はブランとお呼びください!クルミ様!」





ふわふわドレスにピンクのお団子のお姉さんがブラン…。





とにかく私は…このメルヘン満載の。お菓子で出来た魔法の国に来ちゃったみたい。





チョコレートの小川は綺麗に流れていて美味しそう。チョコレートドリンク飲み放題…。





現実逃避に走ってもやっぱり両脇は魔法の国の住人。





人は浮かない。





今は…。ピンクのお姉さんが手を繋いで浮いてます。