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 次の日。

 「お前の言うと通りさ、理科の資料集。おもしろい」
 と、隣の席のバカバレー部が言った。
 「ほら、見てみ。サーベル・タイガー! がぉー!」
 バカが、古代生物の骨格を指さしている。


 けれど、私は”確信”を持って言った。

 「バカだね。そいつの犬歯が大きくてもさ、私たちの方が強いんだよ」


 「なんで?」

 
 「ほかの動物にはない、武器があるの」


 「なに? どれ?」


 「秘密」


 「は? 知能?」


 「違う。脳はどの動物にも有る。馬鹿だ、お前」


 「教えろよ」


 「ヤダ」



 私はバカの“視線”を感じながら、入道雲の空を”見つめた”。




~科学は「愛せ」と言っている
 ACT.1 目  
 
 了