扉を開くと、とても騒がしいという点では、昨日と変わりなかった。 違ったのは、その内容だ。 「何よ、私が盗んだって言いたいんですの!?」 「え、ちが……そういうことじゃ」 「じゃあどういうことなの!」 「ちょ……山崎さん落ち着いて、」 「柏木くんは黙ってて!」 その日生徒会室で起きていた出来事は、意識しなければあまり感情が表に出ない直姫の目をわずかに見開かせる程度には、驚くべき事態だった。