そこから話は移り、純龍の歴史を俺から話した。



「流里香ちゃん、前話した傘下の話とかは覚えてる?」


「覚えてるよ。」



「純龍は今19代目で、暴走族界隈でも歴史は長い訳ね。で、その初代が存在する訳なんだけど、それが椿川悟さんね。純龍の2代目は城聖夜さんね。それから、傘下のレディースの南龍の初代は椿川夏さん。」



「何で!?純龍の歴史にそんなに私の親戚、家族が出てくるの!?叔父、父、母!?」



「お前その調子だと、父母の実家知らねぇのか?」


すごい形相の理輝明が問う


「実家!?知ってるよ!父形のおじいちゃんとおばあちゃんは農家だよ!田舎の一軒家に住んでる!母形のおじいちゃんとおばあちゃんは定年退職して、趣味はゴルフ。ついこないだも皆にあったよ!おじいちゃん、おばあちゃん、さーたんにも会ったよ!」


さーたんは恐らく悟さんだな。
あの狂気の悟さんをさーたんって呼ぶのは流里香ちゃんぐらいなんだろうな。まじで普通の家族じゃん。



「城聖夜さんは城財閥の次男だ。椿川夏さんは椿川組の長女だ。2人共跡継ぎではないにしろ関係者だ。」



「そんな…の嘘だよ。お父さんは次男じゃないし一人っ子だし。財閥だなんてそんな大層なもんじゃないよ。絶対。お父さんの実家そんなに大きくない。お母さんは何?椿川組?ヤクザなの?さーたんが跡継ぎとでも言うの?あんなに優しい母形の家族がヤクザな訳ないよ…。そんな汚れた世界の人じゃないよ…何?私が薬を渡したから?変な事に手出したから?なんで…。」


ただ一点を見つめてそう語る姿は


本当に本当に悲しそうで。落胆する流里香を見てると心が締め付けられる思いだった。


17年間も隠されてた事実をこんな形で知る事になったんだ。苦しいに決まってる。


どうするべき?引き寄せて抱き締めるか?頭を撫でるか。どう、慰めるべきだ、、、。