2人だけのルートを抜けた所に
大広間はあった。
「姫、前にどうぞお出まし下さい」
ざわつきを持った空気が一瞬で静まる。
その静寂の中を、ゆっくりと進んで
みんなの前に立つ。
スゥ・・・ハァ。
深呼吸をしてから、話しを始めるのがあたし流。
「皆様、急なお呼び出し・・・
真に申し訳御座いません。」
ドレスの裾を持ちながら、優雅に一礼をする。
「・・・お気づきの通りですわ」
後ろの華夜を振り返り、バトンタッチする。
「私、海原華夜は
春風祐菜様の側近のお役目を頂きました。
本日只今を持ちまして―――――――
命を掛けて、祐菜様をお守りする事を誓います」
